9月30日(火) ジャズダンス火曜クラス レッスン覚書
①膝のお皿を動かしてみる。
脂肪や筋肉の感覚を膝と思い込んでいる場合もあり、その感覚は実際の膝小僧ではないことが多い。そこで、まずは本当の膝のお皿をしっかり探し、見つけることが大切である。自分が持っている膝の感覚との違いを受け止めた上で、膝のお皿を上下に動かしてみる。特に腿側は動きにくい場合が多いので、その差を意識して確認する。
②膝の上、3つの広筋の動きを確認する。
左右の違いにも意識を向ける。
やり方は、丸めたバスタオルや空気ボールなどの上に膝を置き、それを押しつぶすように膝を伸ばす動きで行う。
腿の前、膝下とお皿(膝小僧)の上をつなぐ筋肉=大腿直筋を意識。膝を内側に倒し、外側の筋肉=外側広筋が盛り上がるか、外側に倒すと内側の筋肉=内側広筋が盛り上がるかを確認する。位置の目安は、膝小僧から指4本くらい上あたりである。
膝小僧が隠れている人は、この三つの筋肉の区別がはっきりせず、感覚がぼんやりしていることが多い。しかし、動きを繰り返すうちに力が強くなり、三つの筋肉の解像度が上がっていく。運動不足による強さの差を見極め、弱い部分を重点的に鍛えていくことが大切である。
③埋もれた脚の付け根を出す。
洋服のタックを広げるイメージで、骨盤と脚の間を開けるようにする。付け根が埋め込まれていると、あらゆる場面で骨盤が立たない。感覚が掴み難い場合は、目で見て骨盤と脚の間が離れていくことを確認する。
そのうち、どこかの筋肉らしきものを感じ取ることができるので、それを逃さないように意識する。正しい場所を見つける過程で骨盤がどんどん倒れていくため、1人で行うのが難しい場合は、動かないものに捕まるか体幹を持つパートナーに捕まり行うと良い。
お尻のストレッチが聞いていない方は立脚の場所の方が見つけやすいが、立った状態ではこのタック部分が再び埋め込まれるため、座った状態で行うことが重要である。さらに真っ直ぐ後とは限らず、骨盤が知らずに左右にぶれてしまうこともあるので、倒す方向を微調整することは必須である。
④ 開脚を確認する。
開脚を行うと、骨盤がしっかりと立っているのを確認できた。開く角度は正しいポジションにのっているため、いつもよりやや狭めだが、腿の前は真上を向き、外側広筋が邪魔をせず膝は伸びている。これは今まで曖昧であり、できなかったことであり、本日は大きな前進といえる。
次の課題は、そこから30秒以上ストレッチを行うこと。30秒未満では効果が薄いため、しっかり持続する必要がある。体幹のあるパートナーと組み、骨盤を後傾させず下腹に力が入るように注意する。その際、内踝のセンサーを押さえながら、10秒を3回繰り返して挑戦する。
⑤ 魔法の言葉を使う。
初めてできたことと出会ったときには感動することが必須である。その瞬間には、ポジティブな言葉を使うことが最適である。そして、その状態の体をしっかりと目に焼き付けることも必要である。これは、以前の自分の体との違いをはっきりと認識するためにも欠かせない。
残念なのは、ただ「倒れそうで心配」という気持ちに支配されたり、パートナーにしがみついているだけだったり、自分の体を確認していなかったりする場合である。そのような行為は成功体験としては定着しにくい。
自分自身で「骨盤が立った」とはっきり認識し、言葉にして感動を確認することが必須である。なぜなら、この二つの違いは、同じ成功した体験を「そのまま発展させる未来」にするのか、「過去にあった思い出」として終わらせるのか、まったく異なる結果を導くからである。
肯定的に受け止めない癖のある方は、次に同じことが出来ないことへの恐怖があると思う。そんなことは考えなくていい。今できたこと自体が感動であり、その事実は変わらない。次にできるかどうかによって、今の感動がなくなることは決してない。
さらに付け加えるなら、一度できたことが次にまたできるとは限らないというのが実際である。なぜなら、今できたことは「完成された100」ではなく、ただ感覚を初めて捉えただけにすぎないからである。その感覚を繰り返し積み重ねることで、ようやく「本当にできた」と言える状態に至るのである。
感動はモチベーションの鍵穴
では、100になるまで数々の感動を無視し続けるのかといえば、それも否である。100なんて到底到達しないからだ。だからこそ、小さな感動を積み重ねていく必要がある。感動とはモチベーションの鍵穴であり、それを開けるのは魔法の言葉である。最初は自分で鍵を差し込み、扉を開けに行く。感動していないと感じても「これは感動に値する」として小さな鍵を次々に回していく。するとやがて、鍵の方が勝手に動いて扉を開けてくれる。それが心が動くということである。
ほとんどの人は、この感動の流れを自然に繰り返している。しかし、体が動きにくい方にとっては、体を動かして感動する機会が少ない。そのため、このような経験を意識的に少しずつ増やしていくことが大切である。やがて、勝手に鍵穴に鍵が差し込まれ、扉が自然に開いていく──そんな体を習得してほしい。それが「動く」「踊る」という感動にほかならない。
言葉選びが掛け算に
体で表現を苦手とする方には、なるべく見ることと、変化と出会った時に必ず言葉を発してもらおうとしているのはそういう理由からです。そして、まだ気づき難い体の方にも、今変化があったよと、一見無駄かもしれない言葉をかけ続けます。その方がその後、鍵穴に鍵を入れる作業をしてくれることを期待して。今は自分の体と直結した言葉でなくても、扉を開くための言葉のチョイスをすることは、今日のあなたの頑張りを掛け算にしてくれると信じてほしい。
